ブルーなポップと中空ロック

何となしに音楽の話をしています。

25.ワンナイト・アルカホリック/ハヌマーン

日本のオルタナバンド、ハヌマーンのミニアルバム中の一曲。

200近いBPMのGメジャーで描かれるのは鬱屈した青春パンク…合ってるような合ってないようなキャッチですね。疾走感溢れる曲で、ドラマーなんかが半狂乱で演奏する様が容易に想像できる。だがメロのⅣm→I的進行の何かひっかかるような響きが、そんな疾走感の一辺倒とはいかない独特の雰囲気作りに一役買っており味わい深い。アウトロで突然出てくる単調なギターはアルカホリックを感じる。

 

ハヌマーンは歌詞を売りにしているだけあり、文語的な言い回しや変わった比喩が出てきて面白い。筆者も昔は仰々しい表現に面食らってむしろ曲目当てで聴いていたものだが、ふと思い出して聴いてみるとそんな歌詞もなかなかに沁みるものがあった。この曲はそういう特異な表現という感じのものではないけども、こぢんまりとパッケージされた短編小説のような良さがあると思う。