ブルーなポップと中空ロック

何となしに音楽の話をしています。

19.憐/ayumi

ニトロプラスより発売されたゲーム「みにくいモジカの子」のオープニング曲。作詞作曲はking of shoegazerと評されるcruyff in the bedroomのフロントマン、ハタユウスケさんが手がける。

ノイズの塊のようなギター、霊的なものを感じるような浮遊感のあるボーカル、重いドラムに歪んだベースと、ダークな雰囲気の曲。イントロから始まり曲中で度々出てくるギターのリフも非常に印象的。また、激しいサビと静かなメロの繰り返しで緊張感が絶えなくなっている。

 

「みにくいモジカの子」では、本曲とエンディング曲を含めたゲーム内のBGM十数曲を全てハタさんが担当しており、ドリーミーな曲やハードな曲など多様な音楽を楽しめる。ゲームの内容自体がかなりキツいらしいので、どの曲もどこか絶望感を覚えなくもないが。筆者はゲームのPVを見てこの曲を聴き、たまらずサウンドトラック付きの初回限定版を買いに行った覚えがある。しかしゲームそのものは手を出す勇気がなかなか出ず、積まれたままとなっている。

やはりというか何というか、iTunesには存在しなさそうです。

18.ニーナの為に/Art-School

当ブログ2回目の登場となるArt-Schoolのインディーズ時代の楽曲。

篭った音の演奏と文字の詰まった歌が印象的。単純な説明はそれくらいしか思いつかないけど、フレーズやコードなどをどうこうでは形容しがたい、胸を抉るような常軌を逸した空気を感じる。木下理樹さんの子供のようなボーカルが歌い上げる、モノや概念の単語の羅列、サビの笑ってという懇願に、痛いほどの感慨を覚える一曲。

 

大衆音楽といえ、一聴して作者の狂気じみた情動に驚かされる曲やアルバムには、多くはないがときたまお目にかかれる。個人的には、曲で言えばRADWIMPSのへっくしゅんやRadioheadのPlanet Telex、アルバムで言えばくるりの「図鑑」やエレキブランの「メルヘン殺伐」などが挙げられるが、本アルバムとこの曲もそんな作品の一つである。

 

春の日

西日本に住んでいると、東京へ行くのもちょっとしたどころではない旅行になる。ここ数年はライブやイベントで年一回以上は東京へ行っているが、探しているCDも見つからなくなったり、二郎を食べるのにも飽きたりと、まあ昔は東京へ行くためにライブを申し込むくらいのものだったのが、すっかり冷めてしまった感がある。そこまでの金と時間をかけてまですることか?とか何とか思いだしてしまう始末である。

 

というわけで、本日は自作曲「春の日」について少しだけお話しします。

 

ノイズっぽいギターの音とリバーブのかかったボーカルが特徴の曲。曲はMy Bloody ValentineやAstrobriteなどをイメージしました。若干クセはありますが、ひとまとめの構成としてはA〜Bメロとサビのあるトラディショナルな作りになっています。

 

歌詞は表題のような春のふわふわした日を表そうとしました。ぽつぽつと言葉が浮かんでは消えていくさまが、メロディと詞で上手く表されていると思います。この曲は歌が特に聞き取りづらいと思うので、下記をぜひご覧になって下さい。

 

広い宇宙の中でひとり僕は

あの日見てた夢の続き探して

何となしに夢を

部屋の外は移り出した季節

僕はひとり息をついて眠った

ギター、弾けば、また同じコード

君の歌が遠ざかる

こんな

どうしようもないことが

どうしても愛おしくて

どうしようもない僕は

どうしても離れないんだ

 

過ぎた時間悔やむそれも飽きて

ぬるくなったサイダー捨ててしまった

何となしに愛を

未来、希望、使い古した

あと少しこうしていたい

 

広い宇宙の中でひとり僕は

夢を見てた思い出せもしないよ

こんな

どうしようもないことが

どうしても愛おしくて

どうしようもない僕は

どうしても離れないんだ

どうしようもない僕が

どうしても愛おしくて

どうしようもない僕だ

どうしようもない僕だ

17.A Mundane Phonecall to Jack Parsons/A Sunny Day In Glasgow

アメリカのドリーミー集団、A Sunny Day In Glasgowのアルバム「Scribble Mural Comic Journal」中の一曲。バンド名が長い。曲名も長い。アルバム名もまあ長い。おかげで記事タイトルも長くなってしまった。

耳に響くロングトーンに始まり、ごろごろとしたドラムと、民族楽器のようなアルペジオが曲を通して続いていく。そんな慌ただしくもある演奏に、薄く響くボーカルと深く鳴るシンセ?が乗っていき奇妙なポップ感が生まれているように思える。

 

ASDIG(こんな略称は存在しないと思われるが)はシューゲイザーともエレクトロなポップとも形容しがたい。なんとなく下地にそんなにおいを感じても、クラシカルというか牧歌的というか、そんな類のものも思わされるし、アレンジの芸かその本質がどうにも捉えにくい。実験的で難解な曲も少なからずあるのも特徴か。ドリームポップという字面がよく似合うバンドだと思う。

A Mundane Phonecall to Jack Parsons

A Mundane Phonecall to Jack Parsons

  • A Sunny Day In Glasgow
  • ロック
  • ¥150

 

16.ピアノガール/くるり

当ブログでは2度目の紹介となるくるりの、メジャー2枚目のアルバム「図鑑」の中の一曲。

ピアノとボーカルのみの変化球な曲。途切れたりヨレたりの不器用なピアノと、岸田繁さんのささやくような静かな歌い上げがよく合っている。特筆すべきはその歌詞で、どんなことでも出来てしまう彼への劣等感とも畏敬ともとれるような感情が、事実の羅列とその終わりにポツリと出てくる私のお願いという構成で巧みに表されているよう。淡白な演奏と合わさって妙な怖さを醸し出している。

 

くるりの歌詞は言葉少なな詞のなかにも言外の余韻のようなものが多く感じられ、それが本曲のような(あまりないケースだが)狂気であったり、温もりであったりと、曲を聴いたときにイメージとして広がるように思える。もちろんそれはコードや演奏、その相乗にもよるのだけども。くるりは一聴してアルバム毎に別のアーティストになったかのような音楽の変貌が見られるが、その妙は変わらずに在り続けているものだと思う。

 

 

15.I Don't Need Love, I've Got My Band/The Radio Dept.

昨日久々にThe Radio Dept.を聴いていたく良い気分になったので、今日もその話をしてしまいます。EPの中の一曲で、アルバムには未収録。

曲中で繰り返し登場するクリーンめなトーンのリフから始まり、Aメロと歌なしのサビ(?)が繰り返され、アウトロでバッキングが分厚くなる構成。B面曲らしいシンプルな構造だがエンディングへの穏やかな高まりが心地よい一曲。絶妙なローファイ感、特に少しくすんだギターのフレーズが、何だかゲームボーイあたりのレトロゲームのBGMのように思えてくる。歌詞にも登場する長い表題は、その意味も含めてサブカル好きにもポイント高め、であろう。

 

筆者がこのバンドを愛聴するきっかけになった曲で思い出深い作品のひとつ。バンドがエレクトロに振り切っていない、初期のシューゲイザー的な味が抜けていない頃の曲でもあると思われる。初期のレディオデプトのようなノイズっぽさと北欧っぽさを兼ね備えたバンドの発掘は、筆者の乏しい索敵能ではなかなかに手こずっているところである。

 

I Don't Need Love, I've Got My Band

I Don't Need Love, I've Got My Band

  • provided courtesy of iTunes

 

14.1995/The Radio Dept.

スウェーデンのドリームポップバンド、The Radio Dept.の1枚目のアルバム「Lesser Matters」中の一曲。

人工的な音処理のドラムに始まり、素朴なギターの音とメロディが重なって曲が進んでいく。伴奏は全体的に終始穏やかだが、ボーカルはサビでぐっとエモくなる。スウェディッシュはメロディがいいよね。短い中にも情感たっぷりで、繰り返し聴きたくなる一曲。歌詞は、今は普通に幸せだけども何故か1995年に戻りたいと思ってしまう的な意味だった記憶があり、郷愁ともとれる空気を含んだ曲によく合っていると感じる。

 

The Radio Dept.は、このアルバムを出した当時本国スウェーデンでも評判が今ひとつだったらしい。たしかにこれ以降の作品を追えば年を重ねるごとの洗練は見てとれるが、メロディの良さやデジタルなローファイサウンド(本作は些かその感が強くもある気はするが)等はこの頃からかなり出来上がっているように思える。なんかどのレビューでもこんなこと書いてる気がするが気にしてはいけない。個人的には粒揃いで純粋に良いアルバムだと思いますよ。

 

1995

1995

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