ブルーなポップと中空ロック

何となしに音楽の話をしています。

29.雨/くるり

くるりのインディーズ時代のアルバム曲のひとつ。

場面転換の多い、電車やバスに揺られながら眺める窓の外の景色みたいな曲。テンポが変わったり、短調になったり、でかい間が空いたりと変化に富んでいるが、曲名よろしく湿ったアルペジオが曲を通して流れており、曲全体の一貫したイメージを変えない範囲でヌルッと自然に各場面を繋いでくれている。最後の超展開はちょっと説明がつかないが、それも不思議と心地良く感じる。

 

インディーズの頃のくるりの曲は若さあふれる勢いや大胆な構成を持ちながらも、どこか後年の曲に通じる要素や雰囲気を持ったものが多いように思う。素人目にはメジャー1stで既に洗練されきったような印象も受けるが、それに飽き足らず長い旅に出た彼の者たち…。目眩くくるりの音楽を聴き、その原型とも言えなくもなくもなくもないこれらの曲を聴き、変わるものと変わらないところに思いを馳せるのも良いかもしれませんね。

雨