ブルーなポップと中空ロック

何となしに音楽の話をしています。

23.雪、無音、窓辺にて。/長門有希(茅原実里)

小説・アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の登場人物、長門有希のキャラクターソング。

無機質な打ち込みのドラムとSE、そこに乗る情感のこもったストリングスがキャラクター性を表現するエモーショナルな曲。音数の少なさかミックスの妙か、壮大になり過ぎず、ごたごたすることもない音の仕上がりになっている。

歌詞は、角ばった言葉や客観の印象を受けるメロから、内にある願いが溢れるようなサビへとドラマチックに繋がっている。茅原実里さんの歌い上げるボーカルと低めのコーラスの重なりは、冷たく閉じた空間で熱を持って踊り出すような何かこう…最高です。サビの最後、ビートがなくなり曲が止まる感覚の中で囁くI was snow~ がまさに有希、無音、窓辺にて。って感じ。

 

本作においてもみのりんの歌唱力は疑いようのないところではあるが、この曲の頃は(決して悪い意味ではなく)後年のソロデビュー以降のある種の神々しさというか、確立された歌唱とまでは至っていないように感じる。精確な歌唱、クリアな声質と少しの拙さ?は、アンドロイドにヒトの心を灯し始めた長門というキャラから生まれたこの曲に彩りを添えるようにすら思える。ハルヒのキャラソンは好きな曲ばかりだけど、その中でも特に好きな曲。

 

雪、無音、窓辺にて。

雪、無音、窓辺にて。