ブルーなポップと中空ロック

何となしに音楽の話をしています。

8.Tom Tom/ The Hundred In the Hands

アメリカのエレクトロの二人組、The Hundred In the Handsの一曲。

ブリブリとしたシンセ、跳ねるメロディが楽しい曲。比較的少なめな音数の中で響くボーカルは、かわいらしくもどこか切ない印象を受ける。

 

前の記事で紹介したサカナクションや、このバンドなど、曲のベースにエレクトロの感があっても、生ドラムなどのバンド的なアレンジがあると、筆者のようなこのジャンルに疎い者への門戸としてはありがたいところだと思う。なんかこう、ちょっと温かい感じがね。

 

Tom Tom

Tom Tom

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7.TRAGIC HEROINE/Base Ball Bear

下北系ロックバンド、Base Ball Bearのインディーズ時代の一曲。

イントロからの低いドラムが印象的。Aメロ終わりからBメロで急速に緊張し、サビで一気に放たれるのが気持ちいい。サビの伸びるボーカルと、それに続く細かい音符混じりのギターのフレーズがこれまた気持ちいい。悲劇のヒロイン気取りのあの子と俺の物語、殴り書いた小説のような歌詞が初期ベボベらしい。

 

ベボベはシンセを多用せずバンドの編成にこだわりがある(的なことを言っていたか定かではないけど)印象があり、たくさん曲を出しているのに、構成やコードの工夫で飽きさせない点が、月並みの感想ではあるが凄いと思える。あと、メンバーのことはあまりよく存じないが、個人的なイメージでは全員永遠の10代みたいな感覚がある。けっこうキャリアも長いし相応に年食ってるはずなんだけども。

 

Tragic Heroine

Tragic Heroine

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6.Rerease/Letting Up Despite Great Faults

近代のドリームポップバンド、Letting Up Despite Great Faults(表記合ってるかな?)の1枚目のアルバム「Letting Up Despite Great Faults」中の締めの一曲。

エレキとアコギの重なる層に太めのシンセの音が乗っていく心地よい曲。よく聞くと歌詞にはsuecideやcatastrophyなど何やら不穏な単語が出ているが。自分で適当にギターでコードをとって弾いていると、AメロはCM7→Fadd9の繰り返しになってるようで、Cもどきみたいなコードのぐるぐるがこの感じをだしているのか、という気づきがあった。

 

LUDGFは筆者が洋楽でもよく聴くバンドの一つで、そのメロディの妙はこの頃からクライマックスに感じる。関係ないが、アルバム最初が気合の入った曲、最後がさらっとした曲というのは、定番ながら理にかなった流れだとしみじみ思った。

 

Release

Release

  • Letting Up Despite Great Faults
  • エレクトロニック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

5.新しい世界/サカナクション

日本のエレクトロックなバンド、サカナクションの2枚目のアルバム中の一曲。

アコギのバッキングにベースが加わり、独特のフレーズが和の感を醸し出すBメロを経て、サビにオチていく構成。初期のサカナクションらしい、有機的なサウンドにエモーショナルなボーカルが映える一曲。

 

サカナクションのフロントマンの山口一郎さんは、5枚目のアルバムが出る前くらいのインタビューで、このアルバムが一番好きだと言っていた記憶がある。これやこれ以前の曲は、バンドが常々口にしていた所謂いい違和感という、ある種無骨な、けれども心地の良い不均衡がみられるように感じられる。

新アルバムが6月に延期となり残念なところだが、今回は前身バンド時代の曲も収録されるという噂も聞いたので、本曲のような不思議な魅力を持った曲に出会えることを夢見て気長に待つこととしましょう。

 

新しい世界

新しい世界

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4.ekubo/PLASTIC GIRL IN CLOSET

岩手出身の国産シューゲイザーバンド、PLASTIC GIRL IN CLOSETの3枚目のアルバム「ekubo」の中の一曲。

アルバムの表題曲で、フラッドなギターと儚いメロディという王道のサウンド、青い春な歌詞が心地良い。コードもシンプルでさっぱりと聴き馴染みが良いと思う。

 

pia frausというバンドの来日公演の前座で初めてこのバンドのライブを見たが、演奏も歌も上手くてすごく良かった。どの曲も耳に残るセンスフルなメロディで、個人的に現行の日本のシューゲイザー界隈ではベスト。もっと評価されていってほしいバンドのひとつ。

 

ekubo

ekubo

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3.Wind of Gold/L'Arc〜en〜Ciel

一昨年結成25周年を迎えた大御所バンド、L'Arc〜en〜Cielの2枚目のアルバム中の一曲。

うねるベースと刻みのアコギが何処かエスニックな雰囲気を醸し出す静かな曲。ギターソロやブラスの入った別バージョンも存在するが、個人的には大サビ後の盛り上がりが映えなくなっちゃうので原版が好み。

 

年代的にもキャリア的にもかなり前の曲だがそれを感じさせない、初期ラルクの隠れた名曲の一つだと思う。筆者はこれを聴くと、スーパーマリオRPGのヤリドヴィッヒ戦の背景のような夕暮れを思い出します(伝わるわけがない)。あと、この曲の歌詞は輪廻転成の暗喩なのでは?と、昔聴いてて何となく思ったことがあった。

 

Wind of Gold

Wind of Gold

  • L'Arc~en~Ciel
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

Wind of Gold (Many Kind of Percussion Mix)

Wind of Gold (Many Kind of Percussion Mix)

  • L'Arc~en~Ciel
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

2.April/Chapterhouse

シューゲイザーの祖たるバンドのひとつ、Chapterhouseの1枚目のアルバム中の一曲。

遠くで響くような美麗なギターに始まり、解決しない暗めのコードとの対比を繰り返していく。最後の(なんて言ってるのかわかんないけど)Eの伸ばしがエモい。

 

シューゲイザーというテーマでChapterhouseが語られる時はたいがいbreatherやpearlが真っ先に出てくるような気がするけど、個人的にはまずこの曲を推したい。アルバム中ではもちろん、このジャンルの中でもトップクラスに好きな曲。

マイブラみたいに極め突き抜けるのも素晴らしいけど、Chapterhouseなどのジャンルの出始めの頃のバンドは王道のUKロックと紙一重の印象があって、この曲はそんな馴染みやすさとトリップ感がバランスよく共存しているのが大きなポイントになってると思う。

 

April

April

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