ブルーなポップと中空ロック

何となしに音楽の話をしています。

13.さよならストレンジャー/くるり

日本の多国籍ロックバンド、くるりのメジャー1枚目のアルバム「さよならストレンジャー」中の一曲で、アルバムの表題曲でもある。

アコギのバッキングが全体を通して鳴っており、湿った空気の漂うような印象を受ける。装飾のように要所で現れるボトルネックなギターも、心地よい倦怠感を生み出しているよう。そんな曲の雰囲気と岸田繁さんの細いボーカルは見事にマッチしているように思える。自分で歌うと1番サビ終わりのあぁ〜っていうところが何回やってもしっくりこなくて悲しい。

 

混沌としていて、それでもどこか優しい響きのある、初期のくるりの良い所を多く含んだ曲だと思う。筆者のくるり5強の一角。この曲を聴くと、しょうがないな、という気分になる。

 

 

光になって

筆者は最近になって自作曲の公開を始めたのだが、一つの目標としてiTunes Storeでの配信がある。それは金を稼ぐとかではなく、まあ生計が立てられるようになればそれはそれで万々歳なのだけれど、ストアの隅っこで生きている何かいい感じの曲への憧れに由来している。何ともスケールの小さい話ではあるのだが。

 

そんなこんなで、今日はオリジナル曲の光になって という曲についてお話しします。

 

基本的に3つのコードを行ったり来たりしているだけなので、非常にシンプルな曲。ベースもひたすらルート音を刻んでおり、ドラムのフィルも勢い付けの単純なものになっています。

 

盛り上がりも分かりやすく明るい曲に反して歌詞は暗めです。失恋っぽくも見える内容になっています。サビでの表題の繰り返しが印象的ですね。筆者のおすすめは2番のAメロです。

 

 

さよなら そう言ったの?

抜け出そう そう言ったの

ガラスの向こうの君

届かないその笑顔

もう一度戻れるなら

君の胸焦がすような

柔らかで透明で

その手に重なるような

光になって

君と僕と


みじめな優しさは

誰の目に触れないままで

ガラスに映った僕

また雨降り出した

もう一度変われるなら

この世界照らすような

誰もが涙して

祈りを捧げるような

光になって

連れて行こう

光になってさぁ


悲鳴 罵声 光の渦

墓標 破片 光の渦

小指 静脈 光の渦

温度 感覚 光の渦に消えて

 

光になって

君と僕と

光になって

連れて行こう

光になってさぁ

12. Subterranean Homesick Alien/Radiohead

世界的ひねくれロック集団、Radioheadの3枚目のアルバム「OK Computer」中の一曲。

不穏な音を交えながらもどこか温かみのある電子音が、空間に広がっては消えていき不思議な雰囲気を作っている。ふらふらと動くベースや、出ては消えを繰り返すスネアなどもその雰囲気作りを後押ししているように思える。そんな謎めいた曲の歌詞では、疲弊する社会や疎外感が、タイトルにもある宇宙人とわたしというテーマで、絶妙な言葉遣いで描かれている。

 

この曲は上記の通り趣向を凝らしたアレンジが施されているが、スタジオライブ的なアコギのみの音源もどこかで聴いた記憶がある。なので弾き語りも出来てしまう。元のコードはト調を基本とし比較的シンプルにも見えるが、メロのクリシェはやはり不思議な響きを含んでいる。

 

 

11.DROPOUT!?/Saint Snow

いわゆるメディアミックスプロジェクトのラブライブ!の後継作ラブライブ!サンシャイン‼︎において、主人公アイドルグループAqoursのライバルユニットSaint Snowの歌う一曲。

歪んだギターのパワーコード、バスドラの連打(ドラムの聞き分けは不得手であるが)、大サビ前の泣きのギターソロと、素人目からもハードロック〜メタルを想起できるようなクールな曲となっている。ラブライブ!、もとい近年のアニソンでよく見られる転調はこの曲でも見受けられ(サビ前、前フリ付きのハ短調→へ短調への転調)、ドラマチックな盛り上がりを生み出している。

 

劇中では名実備えた実力派ユニットとしてAqoursの前に立ちはだかり、後に盟友となるSaint Snowだが、その肩書きに恥じない楽曲のクオリティと中の人のパフォーマンスの高さを感じさせる一曲。短調でハードなサウンド、ドスの効いたラップなど、Saint Snowの特徴である要素を最も上手くまとめた楽曲となっていると個人的に思う。 

 

DROPOUT!?

DROPOUT!?

  • provided courtesy of iTunes

 

10.Makes Me Think/Trementina

南米チリのシューゲイザーバンド、Trementinaの1枚目のアルバム「Brilliant Noise」の冒頭を飾る曲。

アルバム最初の曲でアップテンポではあるが、盛り上がりきれないメランコリックな雰囲気が漂う。ローの抜けるギターノイズ、おぼろげなボーカルがそんな雰囲気作りに一役かっている。このアルバムは初期のマイブラを思わせる曲が多いが、この曲が最も顕著だと思う。タイトルも意識してたり?

 

ロックで洋楽というと大概アメリカかイギリスかその辺の印象だが、チリであったり、ペルーであったり、エストニアであったり、思わぬ地域の出身のバンドに出くわすこともたまにあり興味深い。既に議論はされ尽くされているであろうが、洋楽はお国柄というか何というか、邦楽にはないようなメロディの個性を見出せることも少なからずあり、そのような巡り会いは大事にしたいものである。いまいち話がオチないがこの辺で。

 

Makes Me Think

Makes Me Think

  • TREMENTINA
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

9.サファイアの星/東京スカパラダイスオーケストラ

世界をまたにかける9人組、東京スカパラダイスオーケストラの、ゲストボーカルCHARAさんを迎えた歌モノ企画の一曲。完全に余談だが、筆者は歌モノという言葉の使い方が未だに感覚的にわかっていない。

女性ボーカルにメルヘンチックな歌詞と、ポップに仕上がっている。ドラムはシンバルが多く、タイトルのようなきらびやかなイメージを引き立てているように思える。曲始めの語りのようなサビはサビと思いきやなかなか出て来ず、ラスト大サビで帰ってくるという少し変わった構成で、ラストサビの2回目は裏メロのホーンも今までと違うメロディになる。スペクタクル!

 

スカパラのボーカル曲は、メンバーではドラムの茂木欣一さんが多く担当し、ゲストを迎えることも多い。個性的なボーカルによる曲へのイメージ付けももちろんだが、それぞれで楽曲の音も不思議と違う印象を受けるのは、そう思わせるバンドの力ということでもあろう。また、ボーカルがいるとホーン隊が対旋律を担うこととなるので、その掛け合いが聴けるのもボーカル曲の嬉しいポイントだと思う。余談だが、つい最近発売されたトリビュートアルバムでは、アニソン界隈でも有名なLiSAさんがこの曲をカバーし、そちらもまた異なる趣に仕上がっている。

 

 

 

サファイアの星

サファイアの星

  • LiSA
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

we'll

春はなんだか生暖かくて、居ても立っても居られなくなったり、あることないこと思い出したりと忙しい。ここ最近はそんな感慨に至れもしない厳しい気候が続いていて、それは少し悲しいことだった。

 

そんなわけで、今日は筆者の自作のオリジナル曲、we'llという曲のお話しをします。

 

歪んだギターのバッキング、シンプルなコードワークが若さを感じさせる一曲。筆者はシューゲイザーが大好きなので、最初に曲を作るならギチギチに歪んだ曲をと意気込んでいましたがそんな技量はなく、かなりあっさりした曲になりました。爽やかですね、いいように言えば。

 

歌詞は、過去を振り返りながら、そこから一歩踏み出そうという内容。楽しかった頃の走馬灯のようなイメージで書きました。ベタベタな台詞、どこか適当な言葉づかいもまた若さですね。下に歌詞を晒すので、読みながら聴いてもらえると嬉しいです。

 

youtu.be

 

 

これ以上ないってくらい?

そんなの、わからないままだったよ

下手くそな夢、歌いあったね

無邪気な顔

あの時、君のこと、

好きだったっけな、どうだったかな

いつか、思い出せるよ

だから、笑いあおうよほら!

 

僕ら、大人になって

さよなら言わなくちゃいけないから

君に出会えてよかった、ねぇ、なんて

恥ずかしいな

あの時、泣いたことも、

思い出すかな、どうだろうな

いつか、笑いあえるよ

だから、歩き出そうよほら!

 

いつか、思い出せるよ

だから、笑いあおうよほら!

いつか、笑いあえるよ

だから、歩き出そうよほら!

いつも、歩き続けたなら

ルララ また春が来るから